現在、女系天皇を認めるかどうかという議論が話題となり、「女系天皇」という言葉をよく耳にするようになりました。
今日は、女系天皇と女性天皇の違いについての基本をなるべくわかりやすく解説してみたいと思います。
女系天皇と女性天皇の違い①定義

「女系天皇」と「女性天皇」は、そもそも定義が全く違います。
女系天皇は女性かどうかではなく、父方の先祖が皇室の血統かどうかです。
女系天皇という概念は、実はこれまで存在していませんでした。
なぜなら、日本では、男系継承で皇統を保ってきた歴史があるからです。
まずは、現在の「皇統」と現在は認められていない「女系天皇」について見てみたいと思います。
現在の男系継承の「皇統」とは?
現在の男系継承の伝統の元での「皇統」とは、「父親の祖先を辿っていくと、そのすべてが神武天皇を先祖に持つ者」を言います。
サザエさんの家系図で見てみると、、、

前例がない「女系天皇」とは?
一方で、女系天皇とは、「母のみが天皇の血統に属する者」を言います。
サザエさんの家系図で女系天皇が誰になるかと見てみると、、、

ノリスケ、イクラとタラオが女系天皇になります。
女性天皇とは?女系天皇との違い
「女性天皇」とは、その文字通りの意味で、性別が女性の天皇のことを言い、女系天皇とはまったく概念が異なります。
女性天皇:天皇の性別のこと
女系天皇;父方の祖先が皇族の血統であるかどうか
という理解の仕方がわかりやすいと思います。
女系天皇と女性天皇の違い②前例があるかどうか

日本には女性天皇がいた?女性天皇の役割とは?
日本には、実は、過去に8名の女性天皇が存在していました。
歴代の女性天皇は、全員、独身または未亡人であり、初代の女性天皇の推古天皇と斉明天皇、称徳天皇以外は、譲位によって天皇から退いています。
つまり、女性天皇が即位した事例は、
- 皇位継承争いの緩和するため
- 男性後継者が幼少で天皇に即位できないため
いわゆる「中継ぎ」としての役割を担うために女性天皇が即位してきました。
女系天皇に世論が期待していることは?
女系天皇これまで前例がまったくないため、女系天皇の役割や意義について議論になっています。
世論調査によれば、70%が「男系天皇に限る必要はない」という回答をしています。

アンケートをどのように実施したかは定かではありませんが、「男系にこだわる必要はない」という回答を文字通りに読み取るならば、「男系でなくてもいいのではないか」という考えで女系天皇に容認している人が多いと言えます。
現在の日本社会では、女系天皇に意義や役割がまだ見出せていないようです。
まとめ
女系天皇と女性天皇の違いを調べてみると、まったく概念は違いますし、男系継承を守り抜いてきた日本の歴史を正確に理解しなければ、女系天皇に賛成とか反対といったことについて語ることは難しいです。
世界が日本の皇室に注目していますね。